日本とアメリカの違い Part2(学校編)

前回は、日本とアメリカの文化の違いについて、いくつかご紹介いたしました。

 

第2回目は、日本とアメリカの学校の違いについてです。

 

1. 教育の目的と価値観

日本: 教育は全国どこを見ても一貫して厳格であり、一般的には集団の調和や協力などの協調性が重視されます。逆をいうと、みんなと同じでいることが大切なのです。成績や結果が評価の重要な要素であり、入試制度が重要視される傾向があります。

アメリカ: 教育は個人の能力や才能を伸ばし、クリエイティブな思考やリーダーシップ性が重視されます。学校の評価方法も多様で、テストスコアだけでなく、プロジェクトやディスカッションなども重要視されます。

日本にいたときはみんなと同じでいることが当たり前で気づきませんでしたが、現在の私の目から見ると日米どちらも極端なので、「みんなと合わせるところ」「自分の個性を伸ばすところ」のどちらも十分に認めて伸ばしていかなければならないと思いました。

 

2. 教育制度

日本: 全国どこを見ても、6年制の小学校、3年制の中学校、3年制の高等学校で統一されています。そして、高校卒業後は大学進学が一般的となっています。

アメリカ: 基本的には小学校(1-5年)、中学校(6-8年)、高校(9-12年)の3つの段階から成り立ちます。学校によっては、小学校(1-6年)、中学校(7-8年)、高校(9-12年)のところもあります。大学進学の他、専門学校やコミュニティカレッジなど、大学以外の進学も広く浸透しています。

※日本では、中学校までが義務教育であるのに対し、アメリカでは、高校までが義務教育となっている。

 

3. カリキュラムと選択肢

日本: 学校では国定のカリキュラムがあり、全員が同じ教科書や科目を学びます。選択肢が限られています。

アメリカ: アメリカでは州や地域によってカリキュラムが異なり、多様な選択肢があり、生徒たちは興味や才能に基づいて科目を選択できます。また、同じ学校の同じ学年でさえ先生によって教え方が全く異なり、評価基準などもそれぞれ異なります。

生徒たちの間では、先生の「当たりはずれ」があり、評価のあまい先生と厳しい先生が噂になってしまいます。なので、公平性という意味では日本の方が公平と言えますね。

 

4. 評価と成績

日本: テストの点数が非常に重視され、入試や進学先の選択に大きな影響を与えます。総合的な学力の評価が将来を左右してしまいます。

アメリカ: テストの点数の他に、プロジェクトやクラス参加、地域のボランティア活動などの課外活動も成績に影響します。テストも含めた総合的な評価が重要です。

 

5. 教育のスタイル

日本: 教育は先生中心(最近は対話的なものも取り入れているところが増えてきていますが)で、授業が終わるまで生徒たちは黙々と聞いていることが一般的です。

アメリカ: 教育はより対話的で、生徒たちが自由に意見を交換し合う機会が多いです。プロジェクトやディスカッションがよく取り入れられています。アメリカでは、とにかく目立つ存在(答えがあっていても間違っていても発言するような生徒)が褒められ、評価されます。

 

6. 当番活動

日本: 掃除当番や給食当番など、「自分たちのことは自分たちでする」というのが一般的となっています。

アメリカ:掃除は、学校が雇っている清掃業者に一任しています。また、給食と呼べるような栄養価の高いランチはなく、「ピザとジュース」のような高カロリーのものが専門業者によって少量だけ配られるシステムになっています。

 

7. 部活動

日本: 一度入部したら、引退するまで続けること。また、きつい練習も仲間と耐え抜いて最後までやり遂げること、が美徳とされている風潮があると思います。

アメリカ:部活動は、シーズンによって変わります。春はベースボール、夏はフットボール(サッカー)、秋・冬はバスケットボール。のように、シーズン毎に2~3の部活動を経験することができます。

 

注意!

アメリカでは、不登校に対してかなり厳しい目が向けられます。なぜなら、義務教育中の子どもが学校に行かないことは違法だからです。「子どもの気持ちを尊重してしばらく休ませよう」という姿勢は親のネグレクト(育児放棄)と判断され、長期化すれば警察や司法が介入することもあり得ます。そのため、ホームスクールというようなシステムも存在し、学校に行けないような子でも教育が受けられるようになっています。

 

こういった幼少期からの学校教育の違いが、大人になったときに大きな影響を与えているのだと、日本でもアメリカでも教職に携わる者として身をもって実感しました。

 

次回は、日本とアメリカの「子育ての違い」を紹介していきます。みなさん、お楽しみに!